腹膜透析
peritoneal dialysis
腹膜透析 (Peritoneal Dialysis:PD)は自宅で行う透析療法であり、体内にある腹膜を通して体の中の老廃物を取り除く治療方法です。腹腔内に専用の管(カテーテル)を留置し、管を通じて透析液を体内に留置し透析を行います。数時間後に同様に管を通じて自身で交換していただきます。これを連日行う治療方法です。APDという治療法では自動腹膜環流装置という機械を使い、自宅で就寝中に透析を行うことができるため、昼間は今までと同じように仕事や家事をして過ごせます。このように血液透析とは異なった様々な利点があることから近年見直されている治療法です。
メリット
- 連日行う治療法であるため体液や血圧の変動が少なく、身体への負担が血液透析と比較し軽い。(高齢者の方向け)
- 透析液の交換は自宅だけでなく外出先でも可能であり、仕事との両立がしやすい。(働き盛りの方向け)
- 月1-2回と通院回数が血液透析と比較し少ない。(忙しい方・高齢者の方向け)
- 介助者が代わりに操作を行うことができる。(高齢の方向け)
- 透析を始めた後でも腎機能が長く保つことができる。(今後腎移植を考えている方向け)
- ブラッドアクセス(シャント)の作成困難な方でも対応可能。
デメリット
- 残腎機能の問題から血液透析から腹膜透析への移行は困難であることが多い。
- 視力が低下している場合、器具や装置の操作が困難な場合がある。
- 腹膜を長期に使用すると腹膜機能が低下するため、5−8年後は血液透析に変更せざるを得ないことがある。