
CKD-MBDガイドライン改訂(2026年版)について(2026.7.25更新)
今年約13年ぶりにCKD-MBDガイドラインが改訂されました。前回改訂から数多くのエビデンスが蓄積され今回の大幅な改訂に至っています。特にリンの管理目標の変更については多くの患者さんにとって気になる点かと思われます。
リン・カルシウム・そして骨のホルモンであるiPTHの改訂内容について以下に解説いたします。
リン管理について
血清リン目標値
改訂前 3.5mg/dl以上6.0mg/dl未満
改訂後 3.5mg/dl以上5.5mg/dl未満
今回の改訂では、リンの管理目標の上限が5.5未満と変更されました。これは、リン値がより低い範囲に保たれている患者さんほど生命予後が良好であるというエビデンスの蓄積を受けたものです。特に原疾患が糖尿病や動脈性高血圧疾患の既往のある方はより積極的にリンを下げることが提案されています。
一方高齢・特に栄養状態の好ましくない方はリンの低値と死亡率に強い関連があるため、この値に拘らなくても良いケースがあるとの指摘されています。
今後リンの値は患者の背景に合った最適な数値・個別化が進んでいくものと思われます。
カルシウム管理について
血清カルシウム目標値
改訂前 8.4mg/dl以上10.0mg/dl未満
改訂前 8.4mg/dl以上10.0mg/dl未満 (変更なし)
今回の改訂では、目標値は据え置きでした。管理方法としては今まで通り牛乳・乳製品・サプリメントの摂取に注意しつう薬物療法による管理が今後も主流となりそうです。
iPTH(副甲状腺ホルモン)管理について
血清iPTH目標値
改訂前 60pg/ml以上240pg/ml未満
改訂後 240pg/ml未満(下限値の撤廃)
今回の改訂では、iPTH(副甲状腺ホルモン)の管理に関しても見直しが行われ、一部で下限値の厳格な設定が緩和されました。従来の考え方ではPTHを過剰抑制すると無形成骨を生じ、骨質・骨強度の低下につながる可能性があるとされていました。しかし近年PTH厳格管理と骨折リスクの関連性を指示するエビデンスは乏しく、むしろ低値に管理することで生命予後の改善や骨折リスクが減少する可能性も考えられており、今回の改訂において原則として(活性型ビタミンD製剤で管理する場合のみに限って改訂前と同じ下限値設定あり)下限値の撤廃されることとなりました。
治療負担について
「これ以上厳しく管理するのは大変なのでは」と感じられる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし現在は、
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効果の強い、様々なリン吸着薬の登場、テーラーメード化
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副甲状腺に働きかけてホルモン(PTH)分泌そのものを抑える薬の出現(カルシミメティクス)
などの治療の進歩により、必ずしも今までより食事制限をより厳格にする必要はありません。
特にPTH下限の撤廃はカルシミティクスの積極的な使用を可能にすることでしょう。
当院の方針
当院ではガイドラインに沿いながら、
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食事療法の最適化
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薬物療法の適切な選択
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患者様の生活負担を最小限にする治療設計
を行い、リン管理の質を高めることで、長期的な生命予後の改善を目指します。
ご不明な点があれば、診察時に遠慮なくご相談ください。









